福ヶ笑のTRPGログ

福ヶ笑のTRPGログ

ほぼほぼ自分用のTRPG活動記録です。 同卓してくれた方々に圧倒的感謝を。

CoC「異説・狂人日記」みずほさん卓



◆注意事項

この記事は、CoC「異説・狂人日記」(文町様作)のネタバレを含みます!

 

◆権利表記

本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『新クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「新クトゥルフ神話TRPG ルールブック」

 

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[メイン]KP : 新クトゥルフ神話TRPG『異説・狂人日記』開幕致します。

[メイン]KP : KPを務めさせていただきます、みずほです。よろしくお願いいたします。

[メイン]KP : 先ずは、アイスブレイクに。PL様、および、PC様の紹介を、簡単でよろしいので、お願いできますでしょうか? @

[メイン]加賀見 清 : はい!承知しました。

[メイン]加賀見 清 : PLの福ヶ笑です。積みルルブおじさんです。

[メイン]加賀見 清 : CoCはディズムさんのシナリオを普及する為にKPをやる事が多い、かな?

[メイン]加賀見 清 : PLも楽しませて頂いていますが、1PLはあまり経験が無いので若干緊張していますw

[メイン]加賀見 清 : PCは、加賀見 清(かがみ きよし)40歳男性、精神科医

[メイン]加賀見 清 : 親から継いだ癲狂院で仕事にかまけていたせいで、この歳になっても一人やもめです。

[メイン]加賀見 清 : 日本の精神医学の遅れ、精神病患者の扱いに憂慮しています。

[メイン]加賀見 清 : そして、長年人の心の闇に触れ続けてきた為、次第に引き込まれつつある自らの精神状態に不安を覚え始めている、というSAN値の低そうなキャラです。

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]KP : ありがとうございます。ディズムさんの、冒涜都市などは行ってみたいのですが。ボイスの壁が高い今日この頃です…。

[メイン]KP : SAN値低そうとは仰いますが、今のところまあ普通(?)のようですね。清先生はどういった物語を紡がれるのでしょうか。

[メイン]KP : 其れでは早速、導入に参ります。

[メイン]  :
ー導入ー
「我邦十何蔓ノ精神病者ハ實ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ、此邦ニ生マレタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ。」
呉秀三精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』より

ー導入・現代語訳ー
「私たちの国に居る。何十万もの精神病患者は、その病を患った不幸の他に、この国に生まれた不幸も持ち合わせていると言えるだろう。」
呉 秀三「精神病患者の私宅監置の実況及びその統計的観察より」

[メイン]KP : 時は、大正12年。季節は夏、8月も、終わろうとしている頃。

[メイン]KP : 現在、清先生には、ひとつ、頭を悩ませていることがあります。

[メイン]KP : 大正八年に精神病院法が制定されて以来、危険な患者の隔離の是非を争った議論が活発にある中で、先生も、ご自身の立場を表明する論文を求められていたのです。

[メイン]KP : さて。そろそろ、その論文もまとめねばならない…などと、想いつつ、日を過ごしていたある朝の事。

[メイン]KP : 先生のお宅の呼び鈴がなりました。郵便が届いたようです。@

[メイン]加賀見 清 : 「はいはい、今開けますよ。」と言いつつ玄関の引き戸を開けます。@

[メイン]配達員 : 「加賀美先生のお宅ですか? 郵便です」
と、配達員が、一通の封筒を手渡して来るでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 「おやおや、これはご苦労様です。」と言って封筒を受け取ります。

[メイン]加賀見 清 : 「どれどれ、差出人は、と。」部屋に戻りながら封筒を確認します。@

[メイン]KP : 封筒の差出人は「妹尾十三」となっています。彼は、一年ほど前まで、先生が治療に当たっていた患者で。現在は、池田脳病院に入院している人物です。@

[メイン]加賀見 清 : 「ふむふむ、妹尾くんか。久しぶりだな。息災にしているだろうか……。」

[メイン]加賀見 清 : 「それにしても手紙を寄越してくるとは、何か私に頼みごとでも出来たのだろうか?」

[メイン]加賀見 清 : 彼のことを思い出しながら、封を開け文を改めます。@

[メイン]KP : 承知しました。では、手紙の内容はこんなものでした。

[メイン]十三からの手紙 : 『私にはもはや、人の生活というものに皆目見当がつかなくなってしまったのです。センセに助けてもらわなければ、私の正気はあと一日だって保たないでしょう。どうか後生ですから、私の住まいを訪ねてきてはくれませんか。
柳川県底濱市西区淵ヶ谷三丁目四番十六号 妹尾十三』

[メイン]KP : 彼は、入院中と聞いていました。ですが。何故か最後には、彼の実家の住所が書かれていました。 @

[メイン]加賀見 清 : 「これはなかなか……。」

[メイン]加賀見 清 : 「しかし彼は入院中と聞いていたが、自分の住まいに来いと書き、実家の住所をしたためてある。」

[メイン]加賀見 清 : 「もしかしたら、彼は自分の状況を理解できていないのかも知れないな。」

[メイン]加賀見 清 : 入院先の病院に連絡して、彼が入院中か照会することは可能ですか?

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]KP : そうですね、一番手っ取り早いのは、病院に出向くことではないかと。@

[メイン]加賀見 清 : 病院はすぐ駆け付けられるくらいの近さですか?@

[メイン]KP : 乗合馬車で出かける感じですね。若し、自家用車あったらそれで行くっていう手もあります。@

[メイン]加賀見 清 : 了解です。それでは今日は診療終了にして、妹尾君の入院先を訪ねることにします。

[メイン]加賀見 清 : 夏なので日除けの帽子と鞄を持って、乗合馬車の停車場に向かいます。@

[メイン]KP : 承知しました。では。先生は乗合馬車で、問題なく、病院へとたどり着くことが出来ました。

[メイン]池田脳病院 : 底濱市北区の外れ、人家もまばらな郊外にある精神病院。評判は悪くなく、自然をごく近くに感じられる環境もとても良い。

[メイン]職員 : 受付には、職員がいます。
「ご用件は?」
と尋ねてくるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 「失礼します。こちらに入院中の妹尾十三君の主治医をしていた加賀見と申します。」

[メイン]加賀見 清 : 「彼から手紙をもらい、会いたいとの事でしたので参りました。」

[メイン]加賀見 清 : 「面会は可能でしょうか?」@

[メイン]職員 : 「まあ、加賀美先生ですか? お話はお聞きしていますよ」

[メイン]職員 : 職員は、先生の言葉に、嬉しそうな表情をします。

[メイン]職員 : 「ええ、是非あってあげてくださいね。十三さんのお部屋ですが……」
そう言って、十三の部屋の場所を教えてくれました。@

[メイン]加賀見 清 : 「ご案内ありがとうございます。」一礼して病室に向かいます。

[メイン]加賀見 清 : 院内はどんな様子ですか?@

[メイン]KP : 院内は、まあ、静かな感じですね。そうこうするうちに、先生は教えられた病室へとやってきます。

[メイン]病室 : 十三の病室を訪ねると、彼が行儀よく椅子に座って先生を待ち構えていました。十三は、現れた先生を見るや、白い肌をりんご色に染めて前のめりになります。その顔はとても今年二十二になるとは思えない、あどけない少年のようでした。

[メイン]妹尾十三 : 「ああ、センセ! お越しくださってありがとうございます。いまお茶をお淹れしますね」

[メイン]妹尾十三 : そう言って十三はベッドのシーツを剥がして、ゴソゴソと何かを探し始めました。

[メイン]妹尾十三 : 「いい葉っぱを頂いたんですよ。宇治に、友人がいましてね。さて、どこにしまい込んだのだったか――」 @

[メイン]加賀見 清 : 確認ですが、ベッドのシーツを剥がしても茶道具や茶葉は無い、はずですよね?@

[メイン]KP : はい。ある筈はないですね。というか、ないです。@

[メイン]加賀見 清 : 手紙で今いる所が自宅だと書いていたり、ベッドの上で茶道具を探していたりする姿を見て、彼は自分の今の状況が理解出来ていないらしい。と判断出来てよろしいでしょうか?@

[メイン]KP : まあ、普通はそう判断するでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 了解です。

[メイン]加賀見 清 : 「十三君、今日はお招き頂いてありがとうございます。」

[メイン]加賀見 清 : 「宇治のお茶にも興味はありますが……。」

[メイン]加賀見 清 : 「何か私に聞いて欲しい事があって、お手紙をくれたのではないでしょうか?」@

[メイン]妹尾十三 : 「センセ、すみません。お茶の一つも出せなくて……」
彼は、何だかしょんぼりしていましたが

[メイン]妹尾十三 : 「手紙? ええ、センセ、私の文を、見て戴けたんですね」

[メイン]妹尾十三 : 彼は、真っすぐに居住まいを正して。先生をみることでしょう。

[メイン]妹尾十三 : 「そうなんです。話というのは、まったくもって、退っ引きがならないこと、なのです」

[メイン]妹尾十三 : 彼は一呼吸おいて、続けました。

[メイン]妹尾十三 : 「突然ですけれど、センセは、昨晩お肉を召し上がりましたか?」@

[メイン]加賀見 清 : 「おやおや、私の夕餉の話ですか。そうですね、確か昨日は干物を焼いて頂きましたよ。」@

[メイン]妹尾十三 : 「――そうですか」

[メイン]妹尾十三 : 「あの。センセは。そのう……」

[メイン]妹尾十三 : 十三は少し、訊ねにくそうに口ごもっていましたが。やがて言います。

[メイン]妹尾十三 : 「まさかセンセは、人肉を食べたりはなさらないでしょうね」 @

[メイン]加賀見 清 : 「人肉ですか? そうですね、安心して下さい。私はその様な嗜好は持ち合わせていませんよ。」

[メイン]加賀見 清 : 先ほどから気になっていた、彼の右手の小指の指先に目が行ってしまいます。

[メイン]加賀見 清 : 欠けているように見えるのは気のせいでしょうか?@

[メイン]KP : はい、ではここで、アイデアを振って下さい。

[メイン]加賀見 清 : CC<=70 【アイデア】 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 22 > 22 > ハード成功

[メイン]KP : 気のせいではなく。彼の右手の小指の先は、欠けているようです。一年前は、そんな事はなかったのですが。@

[メイン]妹尾十三 : 十三はブルブルと震えながら声を潜め、辺りを神経質そうに窺ってから、先生に耳打ちしてきます。
「人の肉です。ええ、緊急避難の止むに止まれぬ事情でなく、好きで人の肉を喰らう、食人鬼がいるのです。この世界には、そのような人間が数多くいるのです」@

[メイン]加賀見 清 : 「ふむふむ、それは実に興味深いですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「とは言えそれでは十三君も、大層恐ろしい思いをしたのでしょうね。」@

[メイン]妹尾十三 : 「実のところ、私の兄の文恒は食人鬼なのです。そればかりか、この家の下男の真崎という男も忌まわしい人食いなのです。私は散々この家から出ていくよう下男に言いつけてはいるのですが、頑として聞かず、私はほとほと困り果てているのです」

[メイン]妹尾十三 : 「私の兄は、人を食べたがっている人間です。兄の、目を見ていただければ分かるでしょう。食人鬼の目というものは緑色にぬらぬらと濡れ光っているものです。夜中になれば、隣の部屋から兄の舌なめずりが聞こえてきます」

[メイン]妹尾十三 : 「兄の持つ本には、『易子而食,析骸以爨〔子を易えて食ひ、骸を析きて爨ぐ〕』とありました。自分の子を食うのは忍びないので、人の子と取り替えて食らうという意味です。死人の骨を割き炊事場の焚付にするという意味です。つまり私は――それが恐ろしくてならないのです」@

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど。それは十三君にとってとても恐ろしい状況ですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「お兄さんや真崎さんはここへはよくいらっしゃるのですか?」@

[メイン]KP : 先生は、ここで彼の言う「真崎」という名前の男性が。この池田脳病院の医師であり、十三の担当医であると知っています。なので、これは、偏執病の症状である妄想が、このように発露しているのかも知れないと、感じるかもしれません。

[メイン]妹尾十三 : 「兄は骨接の医者でありまして、生来勉強熱心な人でありましたから、なれば支那から取り寄せた本草なにがしという本に載っていた食人について研究をしていたとしても全く不思議のないことです」
彼は、先生の言葉に反応を見せず、続けます。

[メイン]妹尾十三 : 「センセ!!確かな!!確かな証左があるのです!!確かこのキャビネットに入れておいたんです!!」
十三はそういうと、再びシーツを剝ぎ、先ほどのように、ガサゴソと、何やらさがしはじめました。

[メイン]妹尾十三 : 「ない!ない!ない!!」

[メイン]妹尾十三 : 「ねぇセンセ。今日はどうやら見つからないようです。あれがないと、僕はもう死んでしまうかも知れません。ああきっとアニキに見つかってしまったのだ。」 @

[メイン]KP : ここで、医学、科学:薬学/ 生物学/ 植物学 いずれか、振ってみてください。@

[メイン]加賀見 清 : どれも低いなぁw

[メイン]加賀見 清 : では薬学で

[メイン]KP : はい。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=36 【科学:薬学】 (1D100<=36) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 41 > 41 > 失敗

[メイン]KP : 7版ですので。プッシュ、或いは幸運消費が使えます。@

[メイン]加賀見 清 : プッシュは技能値が低いので無理そうですね。では幸運を5消費します。

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] 幸運 : 55 → 50

[メイン]KP : はい、では、幸運5を消費して、成功です。

[メイン]KP : 先生は、ここで十三の言う「本草なにがし」が【本草学】【本草綱目】というものであることが判りました。それが何であるかも、ご存じです。

[メイン]≪本草学≫ : 古代中国の薬学と博物学に端を発する学問。
薬効のある動植物や鉱物の研究、不老不死の仙人となるための霊薬を生成する錬丹術などに関係が深い。

[メイン]≪本草綱目≫ : 明の時代に出版された本草学の大著。
収録されている薬種は一八九二種。
全五十二巻にも及び、その最終巻は、『人体の薬物利用』について書かれている。

[メイン]KP : こんな感じですね。@

[メイン]加賀見 清 : ありがとうございます。@

[メイン]KP : さて、十三ですが。

[メイン]妹尾十三 : 「――秘密を知った僕は、もうすぐ食べられてしまうでしょう。」
何だか、ガタガタ震えています。

[メイン]妹尾十三 : 「ああセンセ、僕が死んだら、もし僕が死んで、もし骨が残ったら――どうかお願いしたいことがあります。」

[メイン]妹尾十三 : 「ああでも今は。胸が、詰まりそうです。今度ぜひ、お話をさせてください。今日はもう、頭が破れてしまいそうです」
彼はそう言って、頭を抱えてしまいます。 @

[メイン]加賀見 清 : 「おやおや、無理は禁物だね。今日はゆっくり休んだ方が良さそうだ。」

[メイン]加賀見 清 : 「色々と話を聞かせてくれてありがとう。君はとても怖い思いをしたんだね。」

[メイン]加賀見 清 : 「調子が良くなったら、また話をしてくれないか。いつでも聞きに来るよ。」

[メイン]加賀見 清 : 「安心して欲しい。私も一緒に怖い思いをしなくてすむ方法を考えてみよう。」@

[メイン]妹尾十三 : 「センセ。薬を、薬をください! ここの薬は頭がぼんやりとするばかりだ! 前の薬をください! ぼんやりとして――僕はすっかりおかしくなってしまった!」
彼はそう言って、蹲ってしまいました。

[メイン]KP : 落ち着かせたいと考えるならば、幸運、或いは、精神分析で、落ち着かせることができるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど。では精神分析で。

[メイン]KP : はい、どうぞ。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=81 【精神分析】 (1D100<=81) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 50 > 50 > レギュラー成功

[メイン]KP : 流石は先生。混乱していた十三を落ち着かせることに成功しました。何とか落ち着いた彼は、すぅすぅと寝息を立てはじめます。@

[メイン]加賀見 清 : 彼が落ち着いたのを見届け、乱れた寝具を整えた後、受付に向かいます。

[メイン]加賀見 清 : もし今会えるのなら、真崎医師に話を聞きたいと思っています。

[メイン]加賀見 清 : 受付に聞いてみます@

[メイン]KP : 承知しました。では、先生は眠る十三を後に、廊下へと出られるでしょう。そして、受付で担当医に逢えるかどうか尋ねよう、等と考えていましたら。

[メイン]KP : ――不意に、後ろから声を掛けられました。

[メイン]真崎敬之 : 「どうも。近頃はいかがですか。妹尾さんはご覧の通りですよ」

[メイン]真崎敬之 : 十三の担当医である、真崎先生でした。五十代の背の高い男性です。彼は、カイゼル髭を指でつまみ上げながら口を開きました。

[メイン]真崎敬之 : 「加賀美先生とは、先日の学会以来でしたかな?」

[メイン]KP : 先生とは、学会などで面識もある人物でもあります。@

[メイン]加賀見 清 : 「これはこれは、真崎先生。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」

[メイン]加賀見 清 : 「私は相変わらずしがない街中の癲狂院で、日々の暮らしに追われています。」頭をかきかき

[メイン]加賀見 清 : 「妹尾くんから手紙をもらって、少しばかりお話をさせて頂きました。」

[メイン]加賀見 清 : 「精神状態はともかく、彼の小指はどうなさったのでしょうか?」@

[メイン]真崎敬之 : 「わざわざのお越し、痛み入ります。彼の小指ですか? ええ、ここへ入ってきたときには既に失せておりましたね」
おやっ? というように続けました。

[メイン]真崎敬之 : 「継いだ痕も見当たりませんでしたから、古傷とばかり思っておりましたが」@

[メイン]加賀見 清 : 「ふむふむ、ではあれは一年前私の所を出て、こちらにお世話になるまでの間に負ったもののようですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「実家で何かあったのかも知れませんね。」あごに手を当て考え込んでいます。@

[メイン]真崎敬之 : 「ご自宅――ああ。妹尾さんはここを自宅だと思い込んでおりましてね――私のことを、下男と呼ばわっておりますよ」
彼は、少し困った様子を見せます。

[メイン]真崎敬之 : 「時折ベッドの近くを漁っては、『ないない』と叫び、強く取り乱したようになりますが、まぁ、そのうちよくなります。そうでなければ、一生あのままですな」

[メイン]真崎敬之 : 「ご兄弟が月に一度様子を見にいらっしゃいますが。その度に患者が興奮しますので、やや困るところではありますが」@

[メイン]加賀見 清 : 「そうですか。彼のお兄さんにもお話を伺えればいいのですが。」@

[メイン]真崎敬之 : 「ええ、彼のご自宅へ向かわれれば、お会いできるのではないでしょうか? 最も、彼が取り乱すのは、偏執病の症状なのではないかと、私は思っております。先生もご承知の通り、偏執病の患者は、時折妄想に囚われることがありますからな」@

[メイン]加賀見 清 : 「そうですね。今日もそんな様子が窺えましたので、話を切り上げてきたところです。」@

[メイン]真崎敬之 : 「まあ、こういった病は、浮き沈みがあるものですからね」
やや、溜息混じりに言った後。

[メイン]真崎敬之 : 「それは兎も角。先生からの引継ぎは、どれも賞賛に値する出来あいでした。さすが、今度の学会で論文を求められるほどのお方だ。して、そんな先生に、一つお訊ねしてもよろしいですかな?」 @

[メイン]加賀見 清 : 「そのようにお褒めを頂ける身ではありませんよ。」謙遜しつつ

[メイン]加賀見 清 : 「はい、何なりとお尋ねください。」@

[メイン]真崎敬之 : 「まだまだ発展途上とは言え、今なお祈祷、禁厭、灌瀧が幅を利かせておりますな。田舎では獣の黒焼きなぞを飲ませては、強力を使って患者を滝壺に叩き込んでいると聞き及んでおります。大変に嘆かわしいことで」

[メイン]KP : 禁厭(きんえん)とは呪いのこと。灌瀧(かいろう)とは、瀧行のように頭部を瀧に打たせる民間療法のことです。

[メイン]真崎敬之 : 「未だ精神病者の扱いは、欧米諸国に比ぶべくもないほどに行き届いておりません。今朝も簀巻きにされた患者が表を運ばれているのを見ましたが、まるで、古布団を捨てに行くかの有様でした」

[メイン]真崎敬之 : 「して、先生はこの実情にどのような考えをお持ちですかな?」 @

[メイン]加賀見 清 : 「そうですね。正直その様な実情を見るにつけ、心を痛めております。」

[メイン]加賀見 清 : 「と同時に、我が国の精神医学の遅れ、精神病患者の扱いに憂慮もしております。我々は先進諸国の医療に学ぶところが大いにあると考えております。」

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]真崎敬之 : 「なるほどなるほど、まさしくですな」
先生の答えを聞きながら、彼はガイゼル髭を指でつまみ上げつつ、時には感心して。時にはうなずいている様子がうかがえました。

[メイン]真崎敬之 : 「流石は、加賀美先生。医者という立場以上に、先生の実直さが伺えますな。非常によい話を聞かせていただき感謝いたします」
そして、彼は、とても感じ入った様子でそう言う事でしょう。 @

[メイン]加賀見 清 : 「いえいえ、こちらこそ。共感頂けてとても嬉しく思います。」

[メイン]加賀見 清 : 「我が国の精神病患者たちが皆、こちらの様に整った設備と、素晴らしい環境で静養できればよろしいのですが……」@

[メイン]真崎敬之 : 「お褒めにあずかり光栄です。まあ、とはいえ、当院は然程大きな規模ではありませんしな。中々……」
彼は、そんな風に言いました。

[メイン]KP : さて、ここで、聞き耳を振ってみて戴けますか?@

[メイン]加賀見 清 : 了解です。

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【聞き耳】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 12 > 12 > ハード成功

[メイン]KP : おお、冴えていますね。

[メイン]KP : 真崎先生とお話をしていた、清先生ですが。ふと。院内に、獸じみた臭気が漂っていることに気づきました。@

[メイン]加賀見 清 : 臭気……。覚えておきます。

[メイン]加賀見 清 : が、それには気付かなかった振りをしますw @

[メイン]KP : 承知しました。それでは。

[メイン]真崎敬之 : 「それはそうと。先生は、どちらかに行かれようとしていたのでしょうか? でしたら、申し訳ありません。お詫びとして、是非、うちの方でタクシーを呼ばせてはくれませんか?」 @

[メイン]加賀見 清 : 「ご配慮ありがとうございます。ですが、自宅に帰るだけですのでお構いなく。」にこやかに一礼をして、病院の玄関に向かいます。@

[メイン]真崎敬之 : 「おや、其れでしたら。行き先は運転手に告げて戴ければ」
彼はそう言うでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : ふむ、彼の目を逃れて院内をうろうろするのは難しそうですね。

[メイン]加賀見 清 : それでは今日はあきらめて、探索はまたの機会にします。

[メイン]KP : 院内をうろうろする予定だったんですね(笑)

[メイン]加賀見 清 : 「あまりにお断りするのも失礼ですね。それではお言葉に甘えて車を使わせて頂きます。」

[メイン]加賀見 清 : と言って手配して頂いた車で帰宅します。@

[メイン]KP : 承知しました。では、ご帰宅の宣言の前にアナウンスを。

[メイン]KP : この後、行くことができるのは
《妹尾邸》(十三の実家)
《自宅》(帰宅)
です。ご帰宅すれば一日目が終了です。
行先の変更は可能です。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど。行けるのであれば《妹尾邸》に行きたいですね。@

[メイン]KP : 承知しました。では。

[メイン]KP : やがてやってきたタクシーで、先生は、妹尾邸へ向かうことができます。

[メイン]妹尾邸 : 平屋の大きな家です。両親祖父母も既に鬼籍に入り、現在は兄の文恒だけが暮らしています。先生が十三を看ていた頃は主に両親とやり取りを交わしていたため、文恒と直接話したことは殆どなかったのですが、お互い顔は見知っています。

[メイン]KP : 呼び鈴(ひもを引っ張るタイプのものです)がありますが、どうされますか? @

[メイン]加賀見 清 : 呼び鈴を鳴らします@

[メイン]KP : 承知しました。呼び鈴を鳴らしますと。

[メイン]妹尾文恒 : 「ああ、これはセンセイ。お久しぶりでございます」
と、文恒がでてきてくれました。 @

[メイン]加賀見 清 : 「お久しぶりです。突然お邪魔してすみません。」

[メイン]加賀見 清 : 「今日は十三君からお手紙を頂き、入院先に伺ったのですよ。」

[メイン]加賀見 清 : 「最近の彼についてお話が伺えればと思い、訪問させて頂きました。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「あれから一年も経つのに、いまだ弟を気にかけてくだすって、本当にありがたく存じます。ああ、こんな日の照った場所にいてはいけません、お茶を出しますので、ぜひ中へ。さあ」

[メイン]妹尾文恒 : 彼はそう言って、先生を家の中に招き入れてくれるでしょう。

[メイン]妹尾文恒 : 客間へと案内しつつ、彼は言います。
「それにしても――弟から手紙が届いたのですか。あすこの脳病院は、そんなことを許してくれたのか。何ぞ妙なことを口走って、ご迷惑を掛けたりはしませんでしたでしょうか」

[メイン]KP : そう言いつつも、客間へ通してくれた文恒 は、先生に、冷たいお茶を出してくれたりします。

[メイン]妹尾文恒 : 「――それで、弟が、なにか――?」
腰を降ろして、そう、訊ねてきました。@

[メイン]加賀見 清 : 「いえいえ、迷惑などこれっぽちもありませんよ。」

[メイン]加賀見 清 : 「こちらこそ、一年以上も経つのに私のことを頼りにして頂けて、嬉しく思います。」

[メイン]加賀見 清 : 「それに私が彼の所に伺うと、宇治のお茶でもてなそうとしてくれました。相変わらず彼は優しい心の持ち主でしたよ。」

[メイン]加賀見 清 : と、ひとまず経緯を話して安心させようとしますね。

[メイン]加賀見 清 : 「で、話と言うのは他でもないのですが……。」

[メイン]加賀見 清 : 「お兄さん、彼が食人鬼を恐れているのをご存知ですか?」@

[メイン]妹尾文恒 : 食人鬼、という言葉を聞いた途端。彼は鼻白みます。
「なんですか突然……そのような、気狂いじみたことを……それでなくとも、己は、弟の奇行で肩身の狭い思いをしているんです! 身内が警察に引っ張って行かれるなど、そのようなことはもう、もう……!」

[メイン]妹尾文恒 : 何だか、彼はひどく気分を害したようでした。@

[メイン]加賀見 清 : 「すみません。藪から棒に失礼な事をお聞きしてしまったようですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「ですが精神を病んだ方は、その様な考えに囚われてしまう事もあり得ます。」

[メイン]加賀見 清 : 「ただし、それが文字通りのことを表していない事も多いのです。」

[メイン]加賀見 清 : 「我々精神科医はその背後にある原因について、なるべく客観的に、多角的に究明を進めるべく、こうして近親の方にお話を伺いに参ったのです。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「――ああ、取り乱してしまって、申し訳ありません」

[メイン]妹尾文恒 : 先生の言葉に、文恒が言いました。
「先生は心配して下すっているのに……」

[メイン]妹尾文恒 : そして、気を取り直したように。
「そうそう、もしよろしかったら、十三の部屋を訪ねませんか?センセイが担当でなくなったあの日のままにしているんですよ」@

[メイン]加賀見 清 : 「おお、それはありがたいですね。ぜひ拝見させてください。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「はい、それではこちらへ」
言って、彼は、十三の部屋へと案内してくれます。

[メイン]十三の私室 : 廊下側の壁は取り払われ、代わりに格子が嵌っています。窓には鉄棒が縦横に差し込まれ、今は外から雨戸が立てられており、ひどく暗く感じます。素人目であろうと、ここが私室を監置用に改造したものだと分かるでしょう。私宅監置の実際は、殆どが牢獄よりなお惨憺とした環境である中、この清潔な部屋を監置室とされていた十三は破格に恵まれていたと言えることでしょう。

十三の部屋は綺麗に片付いています。大きなベッドと楢材のキャビネットがあるのみ。文恒も部屋についてきて、先生の挙動を見守っているようです。

[メイン]KP : 此処で探索できるのは
・ベッド
・キャビネット
・室内
また、聞き耳を振れます。@

[メイン]加賀見 清 : では、上から順に手当たり次第で。ベッドを調べます。@

[メイン]KP : 承知しました。ベッドには、目星を振ることができます。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 11 > 11 > ハード成功

[メイン]KP : おお、素晴らしい。

[メイン]KP : では。先生は、薬包紙に包まれた炭のような粉が、ベッドのマットレスの隙間に押し込まれていることに気づくでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 取り出してよく見ることは出来ますか?@

[メイン]KP : はい。可能です。

[メイン]KP : ――とはいえ。薬包紙にほんの少しだけこびりついている黒い粉、としか判らないでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど。では入手は可能ですか?@

[メイン]KP : では、手さばきをしてみましょう。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=70 【手さばき】 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 31 > 31 > ハード成功

[メイン]KP : 素晴らしい手さばきで、薬包紙を隠すことが出来ました。文恒は、そのことに気づいてないようです。@

[メイン]加賀見 清 : では、そ知らぬ振りで、次のキャビネットを調べます@

[メイン]KP : 承知しました。

[メイン]キャビネット : キャビネットには、十三のものらしき古い歯型が幾つかついています。2段ある引き出しは完全な取り外しができないように改造されたもので、キャビネット自体も壁にしっかりと固定されているようでした。

[メイン]KP : 抽斗をあけて調べることが可能です。@

[メイン]加賀見 清 : では開けて調べます@

[メイン]KP : では、上の段から?

[メイン]加賀見 清 : 開けたまま次を調べられるので、下からw@

[メイン]引き出し2 : その引き出しには、十三のものと思われる日記がありました。ですが、ページが5枚ほど千切り取られています。支離滅裂な言動と、精神不安を訴える内容が多いが、最後の頁には『アニキには言えない。センセに話さなくちゃ。』そんな風に書かれていました。

[メイン]妹尾文恒 : 先生がそれを見ていると、耳元に文恒の吐息が掛かりました。
弟の日記です。一体なにを言っているんでしょうか、あれは」@

[メイン]加賀見 清 : 驚いて振り返ります@

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ――センセイから見て、弟の様子はどうでしたか。あれは生涯、あのまま元には戻らないと思いますか」
すっ、と離れて、彼はこんなことを言います。

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイもご存知の通り、あれは生来頭の利発な子供だったのです。柳川師範学校を出るまでは、それはもう勉強熱心な奴でした。たんと本を読み、将来は帝都で教授をやるのだと息巻いていました。それが今ではあの有様で――己はそれが悲しくてなりません」@

[メイン]加賀見 清 : 「そうですね。あなたは彼をかわいがり、そして期待していたのですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「ですが彼は精神の病気に掛かってしまった。それは誰にでも起こりうることであり、肉体の病と変わらないものです。」

[メイン]加賀見 清 : 「我々精神医学者はそれを受け入れ、前向きに対処し、患者さんとその周りの方々の生活をより良いものとするために、尽力しています。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「先生のご尽力には、痛み入るばかりです」
彼は沈痛な面持ちでそう言い、黙り込みました。@

[メイン]加賀見 清 : 「いえいえ、ご家族の方の心痛には及びませんよ。あなたも私を担当医だと思って何でもおっしゃって下さい。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「――恐れ入ります」
彼は、短く言いました。

[メイン]KP : では、日記はどうされますか? 持ち帰られる場合。何らかの説得を試みてくださいね。@

[メイン]加賀見 清 : 持ち帰れるならそうしたいですねー。

[メイン]加賀見 清 : では

[メイン]加賀見 清 : 「この日記を持ち帰って調べさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

[メイン]加賀見 清 : 「記載内容を独逸の文献にある症例と照らし合わせることにより、文章の背後、記載した方の無意識領域にある病巣について、少々時間を掛けて分析させて頂きたいのです。」

[メイン]加賀見 清 : と、それっぽい事を並べ立てます。@

[メイン]妹尾文恒 : 「――そう、なんですね。治療の手掛かりとなるのでしたら……」
彼は、あまり気が進んだ様子ではないのですが。そう言って日記を預けてくれるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : おー、ありがたい!(PLの声w @

[メイン]加賀見 清 : 「ご理解頂き感謝します。」そそくさと持って来た鞄に仕舞い込みます。

[メイン]加賀見 清 : 他に室内を調べることは出来そうですか?@

[メイン]KP : はい。キャビネットの下の抽斗はこんな感じでした。もう一つの抽斗を調べてみますか?@

[メイン]加賀見 清 : おぉ、そうか。抽斗は2つあったんですね。では上も調べます。@

[メイン]KP : はい、それでは、上の抽斗はこんな感じです。

[メイン]引き出し1 : キャビネットの引き出しを開けると、ひしゃげたスプーンや短い麻紐などのガラクタにまじり、小さな、白いものがあることに気づきます。よく見ると、それは骨片のようでした。

[メイン]KP : 医学 あるいは 科学:生物学 を振って成功しますと、この骨がなんであるか判ります。 @

[メイン]加賀見 清 : なるほど……。

[メイン]加賀見 清 : 何でこんなに医学を低くしたんだろう。過去の自分……。

[メイン]加賀見 清 : では医学で。

[メイン]KP : お医者様なのに、何だか医学低いっていう。

[メイン]KP : はい。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=36 【医学】 (1D100<=36) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 2 > 2 > イクストリーム成功

[メイン]KP : さすが。エクセレントですね。

[メイン]KP : さて。ガラクタの中にあったそれは。やや角が取れてそれと分かりにくいが、人間の指先の骨――末節骨であることが分かるでしょう。

[メイン]KP : ぞっとして、0/1の正気度を喪失します。 @

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=50 【SAN値チェック】 (1D100<=50) > 91 > 失敗

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 50 → 49

[メイン]KP : 薬包紙と同じく。手さばきに成功すれば、こっそり確保できます。 @

[メイン]加賀見 清 : CC<=70 【手さばき】 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 67 > 67 > レギュラー成功

[メイン]KP : では、文恒に見つからず、隠すことが出来ました。

[メイン]KP : そして、ここで、目星をしてみてください。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 15 > 15 > ハード成功

[メイン]KP : やあ、冴えていますね。

[メイン]加賀見 清 : 出目がいい!

[メイン]KP : 抽斗を閉め乍ら。先生は、キャビネットと壁との隙間に紙片が覗いていることに気づきます。手さばき に成功すると、文恒に気づかれずにそれを隠し持つ、或いは盗み読むことができるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=70 【手さばき】 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 68 > 68 > レギュラー成功

[メイン]KP : 華麗な手さばきで、それをとることが出来ました。みると、千切り取られた日記の一頁のようです。

[メイン]破り取られた紙片 : 『私の日記の大事な部分は、安全な場所に隠してしまいました。なぜこんな事をするのかとお思いでしょうが、これをしなくてはならないのです。今となっては、真実をひとつところに置いておくほど、危険なことなどないのです。』

[メイン]KP : こんなことが書かれています。@

[メイン]加賀見 清 : 安全な場所……?ふむ。

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]KP : あとは、お部屋全体に、目星、或いは聞き耳が可能です。@

[メイン]加賀見 清 : では目星します

[メイン]KP : はい

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 3 > 3 > イクストリーム成功

[メイン]KP : 冴えていますね。

[メイン]KP : では、部屋全体に獣臭のようなものが薄く残っている気がしました。@

[メイン]加賀見 清 : 病院で嗅いだものと同じ臭いかは分かりますか?@

[メイン]KP : 似ているような、似ていないような……そんな感じですね。@

[メイン]加賀見 清 : 了解です@

[メイン]KP : 大体これで、ここで調べられることは全部でしょう。@

[メイン]加賀見 清 : では、これ以上怪しまれる前に退散しますか。@

[メイン]KP : 承知しました。では、ご帰宅で良いですか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、帰宅いたします。@

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ。今日はわざわざ、ありがとうございました」
文恒に見送られて、妹尾邸を出。ご自宅へ帰られることでしょう。

[メイン]KP : そう言うわけで、ご自宅です。特にすることがなければ一日目は終了です。@

[メイン]加賀見 清 : はい、では終了とします。@

[メイン]KP : 承知しました。それでは。そのまま、お休みなって、一日目は終了です。@

[メイン]加賀見 清 : はーい@

[メイン]KP : それでは、二日目です。

[メイン]KP : 今日、出かけられる場所は
・妹尾邸
・池田脳病院
この2か所です 。

[メイン]KP : 何方から行かれますか?@

[メイン]加賀見 清 : 昨日持ち帰った物から得られる情報は何かありますか?
(薬包紙、小指の骨、日記、など)
昨日得た情報以上のものは特にない、でしょうか?

[メイン]KP : そうですね。大体、昨日得た情報で全てと思って頂けましたら。
出た情報を。情報タブに移しておきますね。

[メイン]加賀見 清 : なるほど、了解です。情報の整理、ありがとうございますー

[メイン]KP : 大体、こんなところでしょうか。あ、薬包紙がなかったな。

[メイン]KP : と、では、情報はこんなところですね。さて、朝起きられて、どうされますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、では昨日の自宅の情報を踏まえて、今日はまず「池田脳病院」に向かって十三君に会おうと思います。@

[メイン]KP : 承知しました。では、恙なく、病院へと向かう事が出来ます。

[メイン]職員 : 「加賀美先生。今日も、妹尾さんのところへ?」
先生を見かけて職員が、声を掛けてくるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 「おはようございます。そうです。十三君への面会は可能でしょうか?」@

[メイン]職員 : 「はい。今朝は、大分落ち着いているようですよ」
昨日のことを聞いているのでしょう。職員はそう言いました。@

[メイン]加賀見 清 : 「それは良かった。では、病室へ向かわせて頂きます。」一礼して病室へ。@

[メイン]職員 : 「――」
職員は一礼して、先生を見送ってくれるでしょう。

[メイン]病室 : 再び病室を訪れると、十三がベッドに座り、虚空を見つめています。しかし、先生の姿を認めると、十三は弾かれたように立ち上がり、ひどく安堵した様子で胸を撫で下ろしました。

[メイン]妹尾十三 : 「ああ、センセ! ご無事だったのですね! アニキや下男の真崎に食べられてしまっていはしないかと、食事も喉を通りませんでした。ここだけの話、窓の外から見える道を行き交う人間のうち、もう半数ほどは人食いに変わってしまっています。ねぇセンセ、あなたは違うでしょう? あなたはまだ、元のセンセのままでしょう?」

[メイン]妹尾十三 : 先生の姿を見るや否や、彼は一気にそう言いました。@

[メイン]加賀見 清 : 「おはようございます。十三君。」にこやかに

[メイン]加賀見 清 : 「安心して下さい。私は無事ですし、今までと何も変わりませんよ。」

[メイン]加賀見 清 : 「いつでもあなたの味方ですし、今日もこうしてあなたのお話を伺いに参りました。」

[メイン]加賀見 清 : 安心させるように声を掛け、ベッドの脇の椅子に腰かけます。@

[メイン]妹尾十三 : 十三は、ほっとしたように、少しばかり笑顔を見せました。そして、続けます。

[メイン]妹尾十三 : 「こうして座敷牢に閉じ込められるより少し前、私はカッフェ通いに狂っていたのですよ。底濱駅近くの【倶楽部213】という、モダンなカッフェでしてね、そこでしばしば顔を合わせる呉という男に、僕は参っていました。」

[メイン]妹尾十三 : 「細面の美丈夫で、逞しい青年です。しばしば顔を合わせては、焼林檎やらクロークムシューやらを分け合い食べたものです。クロークムシューという食べ物を知っていますか? こんがりと焼いたパンに、薄切りの肉を挟んだハイカラな食べ物です。」

[メイン]妹尾十三 : 「なんの肉なのかと尋ねたら、『ムシューの肉だ』とからかわれました。ムシューとは、紳士という意味だそうですよ。まだあすこ以外で見たことのない食べ物ですが、きっと欧羅巴あたりの人間が持ち込んできたのでしょう。ここは港が近いですから」

[メイン]妹尾十三 : そして、彼は少し、言葉を切り、吐息をひとつ、ついた後。

[メイン]妹尾十三 : 「ですが――呉は、彼はもういません。船乗りでしてね。また違う街へと去っていきました。だけどそれがどうしたと言うのでしょう。思い出は胸の内に残っていますから」

[メイン]妹尾十三 : そして、再びの間。先生が様子を見ていますと、意を決した様子で口を開きました。

[メイン]妹尾十三 : 「そうそう、人食いの話でしたよね。ここだけの話です、私は人食いの連中が全体どこからやって来て、人間に成り代わり始めたかを知っているのですよ」 @

[メイン]加賀見 清 : 「ふむふむ、なるほど。それはなかなか興味深い経験をしたのですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「クロークムシュー、今度私も調べてみますね。」にこ

[メイン]加賀見 清 : 「人と人の出会いというものは一期一会、思い出は大切にとっておいて下さい」

[メイン]加賀見 清 : 人喰いの話と聞いて、居住まいを正します。

[メイン]加賀見 清 : 「ああ、昨日伺ったお話ですね。それには大変関心があります。詳しいお話をお願いします。」

[メイン]加賀見 清 : 真剣な表情で話を聞きます。@

[メイン]妹尾十三 : その言葉に、彼はきょろきょろと周囲を見回した後。潜めた声で言いました。

[メイン]妹尾十三 : 「……いいえ、ここでは言えません。何となれば、このベッドの下にも、あの悍ましい食人鬼が潜んでいるのですから。センセ、どうか後生です。私の日記を探してやってください」 @

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど、あなたの日記に重要な情報が記されているのですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「実は昨日、こちらを伺った後、ご自宅に赴きお兄さんとお話をさせて頂きました。」

[メイン]加賀見 清 : 「その際にあなたのお部屋にもお邪魔して、少々調べさせて頂きました。」

[メイン]加賀見 清 : 「日記も私の手元にあります。ただ、重要そうな5ページ程がまだ見つかっていません。」

[メイン]加賀見 清 : 「差し支えなければ、それの在りかかヒントだけでも教えて頂けないでしょうか?」@

[メイン]妹尾十三 : 「――ええ、それは、私が隠したんです」

[メイン]妹尾十三 : 十三は、神妙な顔をして先生に言いました。

[メイン]妹尾十三 : 「ただ……それを隠した場所は、ここでは言えません。どうか、呉を、追ってください」 @

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど、重要な秘密なんですね。分かりました。」

[メイン]加賀見 清 : 「呉さんというのは、先ほどのお話のカフェ、底濱駅近くの【倶楽部213】で会った船乗りの方、でしたでしょうか。」確認のために聞き返します。@

[メイン]妹尾十三 : 「………」
十三は、こくん、と頷きました。

[メイン]KP : そして、その時。ふっと、先生の背中に影が落ちました。
振り返ってみますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、振り返ります。@

[メイン]KP : はい、では。

[メイン]KP : 振り返ると、一体いつの間に背後へ、それも吐息が触れんばかりの距離にまで忍び寄られていたのでしょう――艶めくカイゼル髭の長身痩躯が、視界いっぱいに飛び込んできました。

[メイン]真崎敬之 : 「お話の最中に申し訳ありませんが、そろそろ病院を閉めなくてはなりません。学会の準備がありますのでね」

[メイン]真崎敬之 : 彼はにこりともせずにカイゼル髭をつまんで、先生を冷たく見下ろしていました。 @

[メイン]加賀見 清 : 「これは真崎先生。こんにちは、今日もお邪魔しておりました。」

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど、それは失礼しました。十三君のお話を伺っているうちに時間を忘れてしまったようです。これにてお暇致します。」椅子から立ち上がります。

[メイン]加賀見 清 : 「では、十三君。今日は興味深いお話を聞かせてくれてありがとう。クロークムシュー(呉のこと)については調べておくよ。」

[メイン]加賀見 清 : 「またお話を聞きに来てもいいかな?」にこ@

[メイン]妹尾十三 : 十三は、力なく、こくん、と頷いた後。

[メイン]妹尾十三 : 「ああ……センセ。……左様なら」

[メイン]妹尾十三 : ベッドに座り込み、病室を後にする先生に、骨の浮いた手を弱々しく振るのでした。 @

[メイン]加賀見 清 : では、真崎先生の目もあるので、そそくさと病院を後にします。@

[メイン]KP : それでは、先生は病室を後にされることでしょう。此処で、行き先が一カ所増えます。

[メイン]KP : ・妹尾邸
・俱楽部213

になります。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど。では「俱楽部213」に行ってみます。@

[メイン]KP : 承知しました。

[メイン]KP : さて、目的の店は、底濱市の中心街にあるらしい、という事が判りました。ですが、詳しい場所は、判らないようです。

[メイン]KP : 一番良いのは、中心街を行き来する人々に、場所を尋ねてみることでしょう。

[メイン]KP : どういった人物に、声を掛けてみますか?@

[メイン]加賀見 清 : そうですねぇ。ハイカラなカフェという事でしたので、モダンな格好をした紳士淑女がいれば、そのあたりに声を掛けようと思います。@

[メイン]KP : 承知しました。では、男性、女性、どちらに?@

[メイン]加賀見 清 : ではまず男性に。@

[メイン]KP : 承知しました。では。道行く人の中に、お洒落な感じの紳士がいました。

[メイン]紳士 : 「――おや? どうされましたか?」@

[メイン]加賀見 清 : 「すみません、この辺りのカフェを探して、ハイカラな方にお声を掛けているのですが……」持ち上げておいて

[メイン]加賀見 清 : 「『俱楽部213』というカフェをご存じないでしょうか?」@

[メイン]紳士 : 「おや?」
紳士は、先生を見て不思議気に首を傾げますが。やがて言います。

[メイン]紳士 : 「ええ、存じていますよ。丁度、そこへ行こうとしていたところです」 @

[メイン]加賀見 清 : 「おお、それは僥倖。それではご一緒しても宜しいでしょうか?」@

[メイン]紳士 : 「ええ、勿論ですよ。ご一緒しましょう」

[メイン]紳士 : 彼はそう言った後。するりと、先生と腕を組むことでしょう。そして。

[メイン]紳士 : 「では、参りましょうか」
と、目的の店へと歩いてゆきます。

[メイン]KP : 底濱市中心部の繁華街、少し奥まった路地にその店はありました。ごく普通のカッフェ然とした造りの店構えなのですが、表には【会員制】と書かれた看板がかかっています。

[メイン]KP : ここで、知識、或いはアイデアを振ることができます。 @

[メイン]加賀見 清 : では知識で。

[メイン]加賀見 清 : CC<=80 【知識】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 32 > 32 > ハード成功

[メイン]KP : おお、ハードですね。

[メイン]紳士 : 「つきましたよ、こちらです」
彼はそう言って、店へと入るでしょう。

[メイン]KP : そして。その様子から。先生は、あることに気づきます。

[メイン]KP : ここが紹介人のない客は決して入店のあたわない秘密倶楽部――などではなく、どうやら同性愛者の社交場となっている……と。

[メイン]倶楽部213 : 舶来品の蓄音機からニューオーリンズ・スタイルのジャズ音楽が控えめに掛かり、楽しそうに談笑する人間たちがいます。男女の同席は見られず、男は男と、女は女と親密そうに頬を寄せ合いグラスを合わせています。風紀が乱れているといった様子は少しもなく、皆この場を上品に楽しんでいるようでした。

[メイン]紳士 : 「失礼、ああした方が、問題なく入れましたのでね」
彼はそう言って、すっと離れることでしょう。 @

[メイン]加賀見 清 : 「ああ。いえ、助かりました。ご配慮感謝致します。」

[メイン]加賀見 清 : 「こういう場のことは知識としては知っていても、実際に訪れるのは初めてなもので。事情通の方に助けて頂けて安心しました。」@

[メイン]紳士 : 「いえいえ。お役に立てて幸いですよ」紳士は、そう、短く言いました。

[メイン]ウェイター : 「いらっしゃいませ。おや。そちらの方はこちらに来るのは初めてですね。ようこそ。倶楽部213へ。」
そう言って、給仕が迎えてくれることでしょう。 @

[メイン]加賀見 清 : では給仕の方に「はい、初めて来ました。勝手が分からないもので案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」と聞きます。@

[メイン]ウェイター : 「ええ。カウンター席へどうぞ。こちらがメニューになっております」
そう言って、席を案内してくれ、メニューを渡してくれました。

[メイン]KP : 一般的なカフェにありそうなものや、アルコールなどもあるようです。
十三の言っていたクロークムシューや、焼林檎などの軽食もあるようですね。@

[メイン]加賀見 清 : では慣れない手つきでメニューを見て、珈琲とクロークムシューを注文します。@

[メイン]ウェイター : 「クロークムシューと珈琲ですね。承りました」
彼はそう言ってから、奥へと入っていくでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : そわそわしながら待ちます。

[メイン]加賀見 清 : その間に十三や呉の話が聞けそうな人がいないか周りを眺めてみます。@

[メイン]KP : そうですね。カウンターの中にはバーテンダーがいますし。先生と少し離れた席に着いた、先ほどの紳士は、常連客のようで。バーテンダーやら、他のウエイターと親しく話をしているようです。@

[メイン]加賀見 清 : では常連客の紳士に話を聞いてみます。@

[メイン]KP : はい、では、どのように聞かれるか、RPでどうぞ。@

[メイン]加賀見 清 : 「先ほどはどうも。こういうハイカラな場所は不慣れなもので、ご案内頂き助かりました。」照れ笑いを浮かべながら@

[メイン]紳士 : 「いえいえ。まあ、何か事情がおありの様子でしたしね?」
彼は、そんな風に言いました。@

[メイン]加賀見 清 : 「はい、そうなんです。実は知り合いに人探しを頼まれまして。」

[メイン]加賀見 清 : 「ここのカフェの御客で呉さんと言う船乗りの方をご存知ではないでしょうか?」@

[メイン]紳士 : 「――呉? 呉――ああ、あの男前かな」
彼は、先生が出した名前に、少し考えていましたが、やがて言います。

[メイン]紳士 : 「暫く前はよく見ましたね。最近めっきり見ないですが、おおかた、違う街に流れていったんじゃないでしょうか?」

[メイン]紳士 : 彼によると、酔いつぶれていたところを線の細い優男に抱えられて出ていったのを見たのが最後だということでした。優男の顔はよく覚えていないが、右手に包帯をグルグルと巻いていたのが印象的だったようです。

[メイン]ウェイター : 「お待たせしました。この、クロークムシューは、船乗りのお客様が、外国から持ち込んできた食べ物なのですよ」
紳士と、そんな話をしていますと。給仕が注文の品を届けてくれます。 @

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど。確かにその人物の様ですね。それに、その線の細い右手に包帯を巻いていた優男というのが、私の知り合いの様です。」

[メイン]加賀見 清 : 「だとすると、呉さんの消息を知っているのは十三君という事なのか?」首を傾げます。

[メイン]加賀見 清 : 注文を届けてくれたウェイターさんに「ありがとうございます。私もその話を聞いて、欧羅巴の食べ物に興味を持っていたのですよ。早速戴いてみますね。」と礼を言います。@

[メイン]ウェイター : 「いえいえ。どうぞごゆっくり」

[メイン]バーテンダー : そして。先ほどの、先生の「十三君」の呟きを聞き及んだのでしょう。バーテンダーが口を開きました。

[メイン]バーテンダー : 「ああ、ジュウゾウね。覚えてるよ。細面のキレイな顔した坊ちゃんだ。まだ黒マントが似合いそうな、あどけない坊ちゃんだったね。飲めもしない酒を飲まされて、あすこの辺でひっくり返っていたよ」

[メイン]バーテンダー : 「底濱埠頭の辺りをふらふらしてたって聞いたことがあるよ。妙な風体の灯台守と、何か怪しげなやり取りをしていたって話も聞いたね」 @

[メイン]加賀見 清 : 「そうなんですね。ありがとうございます。それではこの珈琲とクロークムシューを頂いた後に、底濱埠頭で話を聞いてみることにします。」

[メイン]加賀見 清 : バーテンダーに礼を言い、慌てて淹れたての珈琲に口を付け「熱っ!」となっています。ふーふーと息を吹きかけ、必死に冷まそうとしています。@

[メイン]バーテンダー : 珈琲でやけどしかけている先生に「気を付けなよ」と言った後。
「まあ。あすこは貧民窟が傍にあってね、いつも犬を煮ているような臭いがするんだ。残飯屋が毎晩通りがかっては黒山が出来る、忌々しい区画だよ。何の用があったのか知らないが、おおかた浮浪者どもに“おかま”でも掘られに行っていたのじゃないかね」
そう、続けて言うでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど。どうして十三君はそんな場所に……。」首をかしげて

[メイン]加賀見 清 : 「貧民窟があるのですね。教えて頂きありがとうございます。こちらも気を付けて向かってみようと思います。」と礼を言います。@

[メイン]バーテンダー : 「いやいや、礼には及ばないよ。ただ、あんまり風紀が良いところ、とは言い難いってだけさ」@

[メイン]加賀見 清 : 「そうですね。風紀が良くない、ですか。覚えておきます。」

[メイン]加賀見 清 : 「それに初めて戴きましたが、この珈琲とクロークムシュー、とても美味しいものでした。また伺う事がありましたら注文したいと思います。」@

[メイン]ウェイター : その言葉には、給仕が答えます。
「ありがとうございます。舶来で珍しいのと美味なことで評判なんですよ」@

[メイン]加賀見 清 : 「評判通りのお味でした。また来たいと思いますが、会員登録などした方がよろしいのでしょうか?」@

[メイン]バーテンダー : 「はは。それはありがたい。ただ……」
彼は周囲を見てから、先生をみます。
「それだけが目当てなら。裏口からきてくれれば。持ち帰り用に包んだりできるよ」@

[メイン]加賀見 清 : 「ああ、確かに。私のような者が独りでここに伺うと言うのも雰囲気を乱してしまいますね。これは配慮が足りませんでした。」

[メイン]加賀見 清 : 「それでは、クロークムシューが食べたくなった際には、失礼して裏口から注文させて頂きます。」@

[メイン]バーテンダー : 「――いや、雰囲気を乱すとか、そう言うわけでなくて。お客さんは……その。そういうご趣味ではないだろうからね?」
一応、気を使ってるようですね。@

[メイン]加賀見 清 : 「あぁ、逆に気を使わせてしまいましたか。それなら大丈夫です。私は、性的志向は人それぞれ、何も隠し立てする必要はないと認じております。」

[メイン]加賀見 清 : 「ただ、悲しい事に世間の風潮はそうではありませんからね……。」悲し気な苦笑いを浮かべて@

[メイン]バーテンダー : 「あー、うん。大丈夫なら、会員登録をしていってやっておくれ。こちらも、会員が増えるのは悪いことではないのでね」
先生の言葉に、バーテンダーは決まり悪そうに言いました。@

[メイン]加賀見 清 : 「はい、では早速登録しますね。」

[メイン]加賀見 清 : 「次は案内無しでも堂々と来て、珈琲とクロークムシューを楽しませて頂きます。」@

[メイン]バーテンダー : 「ああ、楽しみに待っているよ」
彼はそんな風に言いました。

[メイン]ウェイター : 「それではこちらに……」
給仕が色々と案内してくれて。会員登録は恙なくできることでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 「色々とありがとうございました。」紳士、バーテンダー、給仕にそれぞれ礼を言い、カフェを後にします。@

[メイン]KP : 承知しました。では、先生は、カフェを出られるでしょう。
ここで、行き先がまた増えています。

・底濱埠頭
・妹尾邸

となっていますね。@

[メイン]加賀見 清 : それではなるべく目立たないよう、格好に気を付けて「底濱埠頭」に行きます。@

[メイン]KP : 承知しました。では、底濱埠頭です。

[メイン]底濱埠頭 : 風が強い。塩辛いほどに湿った海風が、容赦なく唇を押し広げる。遠く空はかき曇り、気の滅入るような色をしていました。

[メイン]KP : 埠頭をまっすぐ灯台の方へ向かって歩いていると、正面からやって来る、ボロ布を顔中に巻きつけた男と出会うでしょう。

[メイン]KP : ボロ布の隙間から覗えるその顔は、どこか犬めいた印象を受けます。その男は上唇に鋭い裂け目があり、病気にしてもあまりに見慣れぬ顔つきでした。

[メイン]KP : 暗い橙色に濁った手肌は、日に焼けたゴムのように固く締まり、ひどく粉を吹いていました。少しぞっとしてしまって、1/1D4の正気度を喪失してしまうでしょう。 @

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=49 【SAN値チェック】 (1D100<=49) > 52 > 失敗

[メイン]加賀見 清 : 1d4 (1D4) > 4

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 49 → 45

[メイン]灯台守 : 「見ない顔だね。この辺に面白いものはないよ。もっと明るい街の方へ行ったらどうかね。これは親切で言っているんだが」 @

[メイン]加賀見 清 : 話には聞いていたものの、意表を突かれて動揺したようです。<SAN4減少

[メイン]加賀見 清 : 「ご忠告ありがとうございます。」

[メイン]加賀見 清 : 「ただ、私はおもしろいものを探しにここへ来たわけではないのです。」

[メイン]加賀見 清 : 「実は知り合いに人探しを頼まれておりまして。」

[メイン]加賀見 清 : 「妹尾十三、もしくは呉と言う船乗りの方をご存知ではないでしょうか?」@

[メイン]灯台守 : 「いいか、己とあんたは友達じゃない。それどころか、あんたは己の友達とすら友達じゃあない。そうだろ…?」

[メイン]灯台守 : 彼はそう言った後、それでも、十三の名前に少し表情を変え。問いかけます。
「その十三って奴と、あんたに――全体なんの関わりがあるって言うんだい?」@

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど。確かに、いきなり不躾な聞き方であったかも知れません。お気を悪くなされたのなら謝ります。」頭を下げ

[メイン]加賀見 清 : 「妹尾十三君は私の患者です。彼の話を聞き、こちらで呉さんの消息を探しています。」と真摯に答えます。@

[メイン]灯台守 : 「なんだって? 主治医?」
彼は、更に問い返して来ました。
「それじゃあ、あんた、その十三って奴になんて呼ばれている?」@

[メイン]加賀見 清 : 「彼は私のことを『センセ』と呼んでくれています。」@

[メイン]灯台守 : 「――ああ、あんたがボウヤのセンセかい」
緊張していた雰囲気が、緩んだように感じるでしょう。

[メイン]灯台守 : 「悪かったね。悪趣味な雑誌記者かと思ったんだ。近頃はそういうの、多いだろう」

[メイン]灯台守 : そして、彼はさらに続けます。
「ボウヤはな、哀れなヤツなんだ。ある時ふらふらと港を歩いていて、己の目の前で海に落っこちたんだ。」

[メイン]灯台守 : 「慌てて引き上げて、小屋で休ませてやったら、ここが太平洋の彼方にある、化物の暮らす島だと思い込んでしまった。自分の家の場所も言えない有様だったから、長屋の連中と細々面倒を見てやったよ」

[メイン]灯台守 : 「今は脳病院にいるんだろう。時々その近くまで行って、手を振ってやることがあるよ」

[メイン]灯台守 : 「そうそう。センセが来たら渡してくれと言われた封筒があるよ。ボウヤには一体なにが見えていて、なにが見えていないんだろうな」
奇怪な風体の男は、懐から薄汚れた封筒を取り出し、先生に渡して来ます。@

[メイン]加賀見 清 : 封筒を受け取りながら「なるほど、あなたは十三君の命の恩人だった訳ですね。あなたがいなければ私は十三君と再開する事はできなかった事でしょう。礼を言います。」と頭を下げます。

[メイン]加賀見 清 : 封筒の中をあらためてみます。@

[メイン]灯台守 : 「いや、礼には及ばねぇよ」
男は、そんな風に言うのでした。

[メイン]KP : 夏の盛りの晩だと言うのに、その封筒は少しも温まっていませんでした。封筒を開けると中身は破り取られた日記のページでした。

[メイン]KP : 読んでみますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、読みます。@

[メイン]KP : それでは、このようなものでした。

[メイン]日記1ページ目 : 『当然ご存知でありましょうが、私はアニキによって座敷牢に四年ほど監禁をされておりました。ですがある日、センセによる往診が終わるや否や、私は頭に麻袋を被せられて、そのまま底濱埠頭へ連れて行かれ、そこで阿呆船に乗せられたのです。阿呆船は様々な気狂い共でひしめき合っており、私は気も狂わんばかりでした。頭に鶏のトサカなぞつけた水夫に行き先を聞くと、私たちは海乙那の棲む島へ連れて行かれ、そこで毒牙の露と化すそうです。海乙那です。それはどこか狼に似た顔を持つ、食人鬼だそうです。』

[メイン]日記2ページ目 : 『私は、その島で二年を過ごしました。大半の気狂い共は世をはかなんで、進んで海乙那に食われましたが、なに、話してみれば存外気のいい連中で、私たち人間よりもよほど先進的な考えをする連中でありました。何も人間を選り好んで食うわけではなく、死ねば肉なのだから感傷的になって燃やしてしまうより、新鮮な内に食ってしまえば無駄がなくていいではないかというのがその理屈です。』

[メイン]日記3ページ目 : 『その島で雌の海乙那と夫婦にならないかと誘われましたが、郷里のアニキが気になったので、後ろ髪を引かれながら私は日本へ戻ってきました。なにしろ気のいい連中でしたので、今でも時々、夜中に私の部屋を訪ねてくれます。ええ、この部屋にです。そうです――私は海乙那共に日本の歩き方をすっかり教えてしまったので、そうした塩梅で彼らがやって来れるようになったのです。しかしそれは問題ではございません。』

[メイン]日記4ページ目 : 『古くからこの国には忌まわしい人食いがいて、品川の辺りや底濱の外れは彼らの縄張りだったのでありました。それを私が海乙那に渡りをつけてしまったので、忌まわしい人食いの連中が怒ったのです。アニキや、下男の真崎に成り代わった連中は、私を座敷牢に閉じ込めたりして、自由を奪いました。こうして真実を話せる相手はセンセだけなのですよ。アレゴリなどでは、ありません。人を食わずにいる子供は、あるいはあるかもしれない。救えよ救え。子供――。』

[メイン]日記5ページ目 : 『私が死んだ後は、どうぞ、その遺骸を食べてください。私の身体には種がありませんでしたので、子も遺せず、食べてすらもらえないのであれば、到底生きてきた甲斐がないではありませんか。どうぞ、弔いと思って、私の遺骸を食べてください。それだけが私の本当です。それですっかり、悔いはありません。』

[メイン]KP : 情報にも貼っておきますね。

[メイン]KP : 日記に出てきた単語の

【阿呆船】 について、思い出すなら 
知識、或いは、歴史で

【海乙那】については
知識、文系の技能、オカルトで
それぞれ振ってみてください

[メイン]加賀見 清 : はい、ではまず【阿呆船】を知識で。

[メイン]加賀見 清 : CC<=80 【知識】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 76 > 76 > レギュラー成功

[メイン]加賀見 清 : 【海乙那】も知識で振ります。

[メイン]加賀見 清 : CC<=80 【知識】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 33 > 33 > ハード成功

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]KP : おおすごい。

[メイン]KP : とはいえ、【阿呆船】は、知識ハード 【海乙那】は、エクストリームが必要なようです。

[メイン]KP : プッシュで挑戦することも出来ますが、どうされますか?

[メイン]加賀見 清 : なるほど。ではプッシュします。

[メイン]KP : はい、どうぞ。

[メイン]加賀見 清 : CC<=80 【知識】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 42 > 42 > レギュラー成功

[メイン]加賀見 清 : 幸運は使えますか?

[メイン]KP : これは、幸運消費で行けますね

[メイン]加賀見 清 : はいでは2消費します。

[メイン]KP : はい、それでは

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] 幸運 : 50 → 48

[メイン]【阿呆船】 : 15世紀のドイツ人作家、ゼバスティアン・ブラントの作である、諷刺文学であると分かります。様々な偏執狂、阿呆、白痴の人間達が一隻の船に乗り合わせ、阿呆国ナラゴニアを目指して船出する内容です。

[メイン]KP : では、もう一つの方はどういたしましょう?

[メイン]加賀見 清 : こちらも幸運を17消費します。

[メイン]KP : 承知しました。では。

[メイン]【海乙那】 : 五年前に上海で刊行された『新青年』という雑誌に掲載された『狂人日記』という小説に登場する、人に化けた犬のような怪物であり、人肉を食らう者だとわかります。

[メイン]KP : 以上ですね。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど……。

[メイン]加賀見 清 : では包帯の男に礼を言います。

[メイン]加賀見 清 : 「これは十三君の大切なものの様です。大事にして頂いてありがとうございました。」頭を下げます。@

[メイン]灯台守 : 「いやいや、己はボウヤから頼まれたのを、渡しただけだからね」@

[メイン]KP : 大体、ここではこの程度ですね。この後は。

・妹尾邸
・自宅

となるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : では「妹尾邸」に向かいます。@

[メイン]KP : 承知しました。

[メイン]KP : 妹尾邸です。今日は、人気もなくひっそりとしているようですね。@

[メイン]加賀見 清 : 呼び鈴を鳴らしてみます。@

[メイン]KP : 呼び鈴を鳴らして、暫く待っても、誰かが出てくる様子はありませんでした。@

[メイン]加賀見 清 : 玄関の引き戸は開きますか?@

[メイン]KP : 引き戸を開けてみようとしても、鍵がかかっているようです。どうやら、お留守のようですね。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど、では今日は諦めた方が良さそうですね。@

[メイン]KP : そうですね。文恒さんは、どこかに行かれているのでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : では自宅に戻ります。@

[メイン]KP : 承知しました。ご自宅です。何か、されることはありますか?@

[メイン]加賀見 清 : 特に思い当たりませんね。@

[メイン]KP : なるほど、でしたら、日常のお仕事をされた後。普通におやすみになると言う事で?

[メイン]加賀見 清 : はい、それでお願いします。@

[メイン]KP : 承知しました。では、2日目はこれで終了です。

[メイン]KP : それでは、翌日。その日は、朝から雨が降っていました。

[メイン]KP : さて、今日はどうしようなどと思っていますと、呼び鈴が鳴ります。

[メイン]KP : 電報のようです。出られますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、電報という事は急ぎの要件かも知れません。
急いで玄関まで受け取りに行きます。@

[メイン]配達員 : 「加賀美先生ですね。電報です」
配達員はそう言って、電報を渡して、帰って行きました。

[メイン]KP : 電報の差出人は、妹尾文恒 となっています。中を確認されますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、急いで確認します。@

[メイン]KP : 『ジウゾウ クビククリテ シス』

[メイン]KP : 電報には、そう、書かれていました。

[メイン]KP : 十三の突然の訃報に、先生は、強い当惑と混乱を覚えます。1/1D3の正気度を喪失します。@

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=45 【SAN値チェック】 (1D100<=45) > 33 > 成功

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 45 → 44

[メイン]加賀見 清 : 「十三君が首を縊って亡くなった? ……自決なのか? いったいどうして……。」

[メイン]加賀見 清 : 「彼は私を頼って、手紙をくれて、人探しを依頼してくれた。そんな彼がいきなり自決を……? 前回会ったときにその兆候は無かったか? どうして気付かなかった? いや気付いていてそのまま対処をしなかったのか?……」

[メイン]加賀見 清 : とりとめのない思いがあふれて困惑してしまいます。@

[メイン]KP : それでは。今日、出かけられる場所を。

・池田脳病院
・妹尾邸
・倶楽部213
・底濱埠頭

[メイン]加賀見 清 : 多分現場であろう「池田脳病院」に、まずは駆け付けると思います。@

[メイン]KP : 承知しました。では。池田脳病院です。

[メイン]KP : 病院に行くと、警察が出入りしていました。やはり、十三のことがあったのでしょう。ただならない雰囲気です。

[メイン]KP : 背の低い景観が、あわただしく行き来し。カイゼル髭の長身痩躯が、それに眉一つ動かさずに応対していました。この場所で出来ることは特になく、真崎に話を聞ける状態でもないように感じます。

[メイン]KP : ここで、目星、或いは、聞き耳をすることができるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : では聞き耳を。

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【聞き耳】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 16 > 16 > ハード成功

[メイン]KP : おお。冴えてますね。

[メイン]KP : では、あわただしく人が行き来する中。先生はふと、ほのかに、獸臭が漂っているような気がしました。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど。以前もここで嗅いだことのある臭いですね。
貧民窟の誰かがここに立ち寄ったのかも知れない、と思い浮かべます。@

[メイン]KP : 承知しました。 では、病院は、特にそのくらいしか、変わったことは見受けられませんでした。 警察が出入りしているので、ちょっと病室には近寄れそうにありません。@

[メイン]加賀見 清 : なるほど、残念ですが他を当たりますかね。@

[メイン]KP : はい、では、他に行ける場所は。

・妹尾邸
・倶楽部213
・底濱埠頭

です。@

[メイン]加賀見 清 : では貧民窟のことを思い出したので「底濱埠頭」に向かってみます。@

[メイン]KP : 埠頭です。此処も、人はいません。雨風が強いようですね。@

[メイン]加賀見 清 : 以前会った包帯の灯台守を探そうとします。@

[メイン]KP : では、灯台へ向かわれると言う事ですね@

[メイン]加賀見 清 : はい、向かいます。@

[メイン]KP : 承知しました。灯台へ向かう場合、貧民窟を通っていくようになります。

[メイン]KP : その区画には、おおよそ文化的な匂いがせず、甚だしく鼻を打つ腐臭や脂じみた枕のような空気を孕んだ風が循環していました。どこかで何かをぺちゃぺちゃと啜る音、犬が骨を噛むような乾いた音とが混じり、到底まっとうな人間の立ち入るべき場所ではないと、区画そのものが拒んでいるかのようでした。

[メイン]KP : 暗がりに淀み溜まった汚水から、隆々と怒張した柳の根から、子どもの死体めいた影を作るぞっとするようなガラクタの山から、獣の臭いが立ち籠めています。あちこちから、なにかが睨めつけている。殆ど戸板の壊れかかった長屋は、それでもぴったりと全てを閉ざし、この余所者の闖入を撥ね付けていました。

[メイン]KP : 全身に強く、害意にも似た視線を浴びた先生は、1/1D3の正気度を喪失することでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=44 【SAN値チェック】 (1D100<=44) > 63 > 失敗

[メイン]加賀見 清 : 1d3 (1D3) > 1

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 44 → 43

[メイン]KP : 強いですね。やがて、灯台へとたどり着きますが。しん、としていて、人の気配はありません。@

[メイン]加賀見 清 : 灯台の中や外を歩き回って、灯台守を探してみます。@

[メイン]KP : 降りしきる雨の中、灯台の中へ入ろうとしますが、入り口は固く閉ざされているようです。周囲を歩き回っても、人の気配はなく。灯台守の姿も見えません。

[メイン]KP : 貧民窟の方まできますと。閉ざされた長屋中の戸を内側から勢いよく叩き、威嚇するような、そんな様子です。明らかに、先生を歓迎していないようでした。此処は、大人しく退散した方がよさそうですね。@

[メイン]加賀見 清 : 威嚇する相手にも頭を下げ、こちらに敵意や害意が無い事を表します。

[メイン]加賀見 清 : そして、誰にともなく話し始めます。

[メイン]加賀見 清 : 「以前、こちらでお世話になった線の細い青年、妹尾十三君が無くなりました。」

[メイン]加賀見 清 : 「私は彼の主治医でした。こんな事態になってしまった責任の一端は私にもあると、後悔してもし切れません。」

[メイン]加賀見 清 : 「今日はその事のご報告と、以前お世話になったときのお礼を言いに参上致しました。」

[メイン]加賀見 清 : 「あいにく目的の灯台守の方に会うことは出来ませんでしたが、こちらにお住まいの方の一人でも、妹尾十三君を覚えておいででしたら、彼の旅立ちを一緒に悲しんで頂けたらと思います。」

[メイン]加賀見 清 : 「それでは、失礼致します。」頭を下げてそこから離れます。@

[メイン]KP : では、去り行く先生を。幾つもの視線が、物陰から追いかけているような。そんな気がするかもしれません。先生の言葉は人づてに灯台守に伝わるかもしれませんし。伝わらないかもしれません。

[メイン]KP : ではこの後行ける場所は

・妹尾邸
・倶楽部213

です。@

[メイン]加賀見 清 : では、せっかく底濱まで来たので「倶楽部213」に向かいます。@

[メイン]KP : 承知しました。それでは、市街地ですね。

[メイン]KP : 雨の降る中、目的の店へ行きますと。生憎、店休日のようでした。
店休日の表示と。「CLOSED」と書かれた札が下がっています。@

[メイン]加賀見 清 : おっと、それは残念ですね。

[メイン]加賀見 清 : それでは、カバンの中から診療ノートを取り出し、白紙の1ページを切り取ってそこに十三君の訃報と世話になった事のお礼をしたためます。

[メイン]加賀見 清 : そして郵便受けか無ければドアの隙間にそれを残して、その場を離れます。@

[メイン]KP : 恐らく、お店の郵便受けのようなものはあると思いますので。其処に、お手紙を入れることができるでしょう。

[メイン]KP : ではこの後行ける場所は

・妹尾邸

以上です。@

[メイン]加賀見 清 : はい、では「妹尾邸」を訪ねることとします。@

[メイン]KP : 承知しました。では、妹尾邸です。人の気配はありそうですが。呼び鈴を鳴らしてみますか?@

[メイン]加賀見 清 : では呼び鈴を鳴らしてみます。@

[メイン]KP : 先生が呼び鈴を鳴らしますと。

[メイン]妹尾文恒 : 「ああ、センセイ――急なことでして、すみません」
一気に十年も年を取ったように、やつれた様子の文恒が現れました。

[メイン]妹尾文恒 : 「全体どうしてこんなことになったのか。真崎センセイによれば、昨晩あれの様子を見に行くと、どこから持ち込んだものか、麻縄で首を括っていたのだと。センセイ、なにか知りませんか。ねぇ、センセイ」

[メイン]妹尾文恒 : 彼は随分、憔悴している様子でした。@

[メイン]加賀見 清 : 「電報を拝見して、私も大変驚きました。ましてやお兄様の心中はいかばかりかと存じます。」

[メイン]加賀見 清 : 「恥ずかしながら、私もこのような事態になる事は、僅かばかりも想定できておらず、自分の不甲斐無さに憤りすら覚えております。」

[メイン]加賀見 清 : 「お兄様もこの後、お通夜や葬儀など色々とお忙しい事でしょう。」

[メイン]加賀見 清 : 「私で何かお役に立つことがありましたら、何でもお申し付けください。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「恐れ入ります。それよりも、センセイ。ここで話すのもなんですから。上がってください。」
文恒はそういって、客間へと、通してくれるでしょう。

[メイン]妹尾文恒 : 「いつかこのような日が来るだろうと、覚悟はしておりました。ええ、本当です。覚悟だけはしておったのです……」
客間へ向かいつつも、彼は、そう言いました。

[メイン]妹尾文恒 : 「なにしろ、暫くは忙しなくなります。きっと葬儀は明後日になるでしょう。弟を哀れに思うのなら、ぜひいらしてください。どうか、ぜひ」 @

[メイン]加賀見 清 : 「はい。勿論、万障を繰り合わせてでも参列させて頂きます。」

[メイン]加賀見 清 : 「しかし、お兄様にとっても突然の事だったのですね。」

[メイン]加賀見 清 : 「失礼ですが最近の十三君について、何かお気づきになったことなど御座いませんでしたでしょうか?どんな些細な事でも構いません。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「――いや。あれに関して、特には……」
文恒はお茶を入れ始めるのですが。ふと、背中越しにポツリ、と言いました。

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ、どうか正直なところを仰ってください。あれは、十三は、本当の気狂いだったのでしょう」

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ、どうか仰ってください。あいつはもう手の施しようのない気狂いだったのだと。あのまま一生、元のようには戻れなかったのだと」 @

[メイン]加賀見 清 : 「そうですね。亡くなられてしまった今となっては、何を申しても繰り言となってしまいますが……。」

[メイン]加賀見 清 : 「十三君は心の病気でした。こうした病は寛解するまで相当の時間を要します。」

[メイン]加賀見 清 : 「十三君にしか見えない世界と、我々の世界に折り合いを付けながら、それこそ一生付き合い続ける可能性はかなり高いものでしたでしょうね。」

[メイン]加賀見 清 : なるべく文恒の思いに寄り添うように、言葉を選びながら返答しようとします。@

[メイン]妹尾文恒 : 「――左様ですか。お心遣い、痛み入ります」
先生の答えを聞きつつ、お茶を出した文恒は。なんだかいっぺんに脱力したようでした。ややあって、表情を無くして立ち上がります。

[メイン]妹尾文恒 : 「近所の人間に呼ばれておりまして。すぐに戻ります。葬儀ともなれば色々とあるようで」

[メイン]妹尾文恒 : 「ええ、昨年に二度もやりましたから、慣れております。どうぞ今しばらく、ゆっくりなさっていってください」
そして、ふらふらと玄関の方へ向かってゆきます。そのまま、彼は外へ出て行ってしまいました。 @

[メイン]KP : そういうわけで。探索可能な場所です。
・十三の部屋
・文恒の部屋

いかがされますか?

[メイン]加賀見 清 : ではまず、前回見ていない「文恒の部屋」を調べます。@

[メイン]KP : 承知しました。では、文恒の私室です。

[メイン]KP : 本棚があったり、書き物机があったりする部屋です。机の上に、開きっぱなしの日記が置かれているのに気が付くでしょう。
見てみますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、日記を読んでみます。@

[メイン]KP : 日記には、こんなことが書かれています。

[メイン]文恒の日記 : 『こんなことを書くべきか今も私は決めかねている。弟は人を食っていた。それも殺して食っていた。完全な気狂いだったのだろう。かわいそうに。あれはもう何年も狂ったままだ。罪に問われることはないだろう。裁かれることはないだろう。私はそれが哀れでならない。罪を犯しても裁かれないことが、まるで人でないと言われているようで。必要なものを持っていこう。全てを、十三の正気に委ねよう。』

[メイン]KP : あとは、室内を目星することができます。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 73 > 73 > 失敗

[メイン]加賀見 清 : プッシュします。

[メイン]KP : はい、どうぞ。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 3 > 3 > イクストリーム成功

[メイン]KP : 楽差が。

[メイン]加賀見 清 : 確かにw

[メイン]KP : それでは、先生は。部屋の片隅に『補注本草綱目』が置かれていることに気づくでしょう。全て合わせると五貫(18.75kg)ほどにもなる、大きな三巻ものの本です。@

[メイン]加賀見 清 : 20キロ弱!それは持って帰れそうにないし、読むのにも時間が掛かりそうですね。

[メイン]加賀見 清 : ページの開き癖などから、よく見ていた内容を類推する事は可能でしょうか?

[メイン]加賀見 清 : @

[メイン]KP : 全てに目を通すのであれば、斜めに読んでも三日は掛かるでしょうね。図書館で、ある程度調べることができるでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【図書館】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 41 > 41 > レギュラー成功

[メイン]KP : 冴えてますね。では。

[メイン]KP : 時間をかけて本を見ていますと。五十二巻にあたる部分「人体の薬物利用」に関しての所の、一頁だけ綺麗に破り取られていることに気が付きました。

[メイン]KP : 医学、或いは、科学:薬学で、何のページが破られているか判るでしょう。@

[メイン]加賀見 清 : あぁ、苦手分野ですね(汗

[メイン]KP : まあ、以前成功してますし。

[メイン]加賀見 清 : では科学:薬学で

[メイン]KP : はい

[メイン]加賀見 清 : CC<=36 【科学:薬学】 (1D100<=36) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 85 > 85 > 失敗

[メイン]加賀見 清 : 全然だめですね。

[メイン]KP : 医学も振ってみますか?

[メイン]加賀見 清 : ありがとうございます

[メイン]加賀見 清 : CC<=36 【医学】 (1D100<=36) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 17 > 17 > ハード成功

[メイン]加賀見 清 : おぉ

[メイン]KP : やあ、冴えてますねえ。きっと、先生は名医に違いない(棒)

[メイン]加賀見 清 : w

[メイン]KP : さて、では。目次などから照らし合わせて。破り取られているページは「人魄」と呼ばれるものについて書かれている所だと判りました。@

[メイン]加賀見 清 : 人魄?

[メイン]KP : はい。「ひとのたましい」と、読むようです。ハードなので、それについて、思い出したかもしれませんね。

[メイン]KP : それは、縊死者(=首吊り自殺者)の下に溜まると言うモノだそうです。すぐに取らないと地中に沈んでしまうので、急いで掬い取って、熱酒に溶いて飲ませるのだそうです。精神が落ち着く薬効があると、そう書かれていた筈です。@

[メイン]加賀見 清 : それを見た加賀見は、先ほどの日記にあった「必要なものを持っていこう。全てを、十三の正気に委ねよう。」という記述と、この「縊死者(=首吊り自殺者)の下に溜まる」という記述を結び付けて、文恒が十三の自殺の手配をしたのではないかと疑いを持つと思います。@

[メイン]KP : なるほど。とはいえ、文恒は帰ってくる気配はありません。この部屋での情報はこんなものですね。
あと調べられるのは

・十三の部屋 

以上です

[メイン]加賀見 清 : はい、では「十三の部屋」を調べます。@

[メイン]KP : はい、それでは、十三の部屋です。

[メイン]KP : 十三の部屋にはいると。まず、強烈な犬の臭いがしました。そして、部屋を見ると、床板が剥がされ、人が横たわれそうなほど長い窪みが空いていました。

[メイン]KP : 窪みを調べてみますか?@

[メイン]加賀見 清 : はい、調べます。@

[メイン]KP : では、目星をすることができます。@

[メイン]加賀見 清 : CC<=50 【目星】 (1D100<=50) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 3 > 3 > イクストリーム成功

[メイン]KP : 冴えてますね。流石です。

[メイン]KP : では、窪みの中に降りて調べてみますと。土に混じり小さなエナメル質の鈍い輝き。人の歯が、あちこち幾つも埋まっていることに気づきました。@

[メイン]加賀見 清 : いくつも……。それは複数人のものと類推できる数でしょうか?@

[メイン]KP : 複数か、そうでないかは、残念ながら見た感じ、判らないでしょう。

[メイン]KP : 先生が、窪みから這い出て再び床を見やると、窪みは消え失せていました。まるで白昼夢を見ていたかのように、ただの床があるばかり。
とても奇妙な気がして、1/1D3の正気度を喪失してしまいます。@

[メイン]加賀見 清 : え

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=43 【SAN値チェック】 (1D100<=43) > 78 > 失敗

[メイン]加賀見 清 : 1d3 (1D3) > 3

[メイン]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 43 → 40

[メイン]加賀見 清 : 「おかしい……確かにここに窪みがあったはず。」動揺しています。@

[メイン]KP : 十三の部屋は、以前訪れた時と変わらない様子です。床をよくしらべても。そこに窪みがあったとは思えません。

[メイン]KP : そして、それから、日暮れまで待っても。文恒は帰ってくる様子はありませんでした。

[メイン]KP : このまま帰宅した方がよさそうですが、どうされますか?@

[メイン]加賀見 清 : では、帰らぬ文恒をいぶかしがりながらも帰宅します。@

[メイン]KP : 承知しました。それでは、先生はその日はそのままご帰宅されました。

[メイン]KP : それから、数日が過ぎ。先生はその間、仕事や論文の執筆などに追われているかも知れません。

[メイン]KP : やがて文恒から葬儀の案内を受け、そこへ参列することになるでしょう。

[メイン]KP : ――十三の弔いは滞りなく済みました。葬儀の場で、沈痛な面持ちの文恒が、先生に話し掛けてきました。

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ、あれには親がおりません。肉親と呼べるものは己くらいのもので、さして友人もおりません。もしほんの少しでもあれを哀れんで頂けるのなら、どうぞ焼き場まであいつについて行ってもらえませんか」 @

[メイン]加賀見 清 : 「えぇ、勿論。ご同行させて頂きます。」神妙な面持ちで承諾します。@

[メイン]妹尾文恒 : 「有難う御座います」文恒は、そう言いました。

[メイン]妹尾文恒 :

[メイン]KP : 先生は文恒や、他の参列者と共に、最新鋭の機材が揃う火葬場へやって来ました。

[メイン]KP : コークス燃料に電動送風機で、十三の骨は呆気ないほど早く上がります。まったく綺麗な骨でしたが、唯一、頭蓋骨だけはボロボロに焼け溶けていました。

[メイン]妹尾文恒 : 「――骨を拾ってください、どうか」

[メイン]妹尾文恒 : 文恒が、先生の耳元に囁きました。

[メイン]妹尾文恒 : 「ここだけの話ですが、十三は人を殺して食っていたようなのです」

[メイン]妹尾文恒 : 「はっきりと確証がある訳ではありませんが、一年前、弟の部屋から異臭がして、床板を剥がしてみた所、人間の歯がごっそりと出てきました」

[メイン]妹尾文恒 : 「きっと、それは食べられなかったのでしょう。ほら――骨はよく焼けば脆いですから。そんな不吉な穴は、とうに埋めてしまいましたが」

[メイン]妹尾文恒 : 「ねぇセンセ。あれは気狂いだったのです。もはや取り返しのつかぬ、完全な、気狂いだったのですよ」 @

[メイン]加賀見 清 : ではまず骨を拾う事には同意し、骨上げ用の長い箸を受け取って遺族の方と同様に箸渡しをして遺骨を骨壺に納めます。

[メイン]加賀見 清 : 十三の人肉食や気狂いに関しては、否定も肯定もせずそれっぽい事を言っておきます。

[メイン]加賀見 清 : 「なるほど、そのようなものを見てはさぞお兄様も驚かれた事でしょう。」

[メイン]加賀見 清 : 「人肉を食べ、その食べ残しを穴に埋めるとなれば、それは確かに取り返しのつかない、気狂い沙汰と思われるのも無理はありませんね。」

[メイン]加賀見 清 : 「お兄様も大層心を痛められたご様子。心中お察し致します。」@

[メイン]妹尾文恒 : 「――」
彼はそれに対して、ただ沈痛な面持ちを見せるのみ、でした。が。

[メイン]KP : 骨を拾い終えると、周囲から「サク、コリ、シャクシャク」と、何か脆いものを噛み砕いているような音がしはじめました。

[メイン]KP : 見渡せば、周囲の人間が我を争うようにして、拾いきれない小さな骨を口に含んでいます。よく見れば、斎場の人間もそれをしているのです。

[メイン]KP : この、異様な光景に。先生は0/1の正気度を喪失してしまうでしょう。 @

[メイン]加賀見 清 : 1d100<=40 【SAN値チェック】 (1D100<=40) > 22 > 成功

[メイン]妹尾文恒 : 「センセイ、さあ、十三の骨を食べてください」

[メイン]妹尾文恒 : 「さあ――ねえセンセイ。どうしたのですか。なぜ骨を、センセイ。さあ。さあ。さあ。さあ。さあ」

[メイン]妹尾文恒 : 目の血走る文恒が、先生の手に十三の骨を押し付けてきます。

[メイン]KP : いつの間にか、見知らぬ十数人に取り囲まれ、とても穏便に断れる状況ではありません。辺りには、むせるような獣臭が立ち込めています。自分を取り囲む人間たちや、文恒の唇の中央は、犬のようにつり上がっていました。

[メイン]KP : ――加賀美清先生。

[メイン]KP : ここで、先生には、3つの選択肢があります。

1,十三の骨を食べる

2、骨の摂食を拒み続ける

3、食べた振りをする。(てさばき成功)

どれに致しましょう?@

[メイン]加賀見 清 : 周りの異常な事態には驚きますが、以前読んだ十三の日記の記載を思い出します。

[メイン]加賀見 清 : 『どうぞ、弔いと思って、私の遺骸を食べてください。それだけが私の本当です。それですっかり、悔いはありません。』

[メイン]加賀見 清 : 遺骨の一つを手に取り、一礼した後、十三の遺言を思い浮かべながら、それを口に入れ食べてしまいます。@

[メイン]KP : 承知しました。では。

[メイン]KP : 彼の遺骨を口に含むと――それはなんの味もせず、ほのかに日向くさく感じました。唾液が吸い取られ、ぼそぼそ口の中で崩れてゆきます。

[メイン]KP : どうにか飲み下すと、周囲の人間はにっこりと笑いました。そこからどうしたのか。記憶がはっきりとしませんが、葬儀の全てがつつがなく終わり、挨拶もそこそこに逃げるように帰ったのでした。

[メイン]KP : 口の中に、遺骨の匂いが残っています。それは、なんの味もしなかったのに、あれは、そう、旨かったような気がします。旨かった――そう、旨かったのです。

[メイン]KP : いつもの自室、なぜでしょうか、犬の臭いが立ち込めています。当て所をあちこち探し回りましたが。けれどそれはすぐに掻き消えたのか、それとも、鼻が莫迦になってしまったのか。二度と、感じることはありませんでした。

[メイン]大正12年9月1日 : 全てが終わり、幾日も経たない日。長閑な、何事もない日。正午前。関東一帯を巨大な地震が襲いました。
柳川県内では、二万戸超の家屋が全潰し、焼失し、多くの混乱を齎しました。津波は貧民窟を海へ攫い、死者は底濱市だけで一万を数えたと言われます。
妹尾邸も、池田脳病院も倒壊し、燃え尽き――そして、彼らの行方は、誰も知ることはありませんでしした。

[メイン]KP : 『異説・狂人日記』終幕です。お疲れさまでした。

[メイン]KP : 加賀美先生は、END:Aとなりました。

[メイン]KP : クリア報酬が
エンドA:1D6の正気度ポイント回復

[メイン]KP : 《後遺症》
エンドA:探索者の血統に食屍鬼の血が僅かに混じる。探索者とその子孫が人体の一部を摂食した際の正気度減少時に、規定された減少の値を永続的に+1する。

[メイン]KP : となります。

[メイン]加賀見 清 : 承知致しました。

[メイン]加賀見 清 : ところで確認ですが、自分は震災を生き残ったのでしょうか?@

[メイン]KP : シナリオ自体は生還なので。震災で生き残ったかどうかは、PL様の判断ですね。大体皆様生き残られてるかと。@

[メイン]加賀見 清 : 子孫がうんぬんという話もありましたし、それでは生き残ったという事にしますね。

[メイン]KP : はい。生還なので、グロテスキズムは加賀美先生でそのまま継続できます(笑)

[メイン]加賀見 清 : それでは、大震災でそれどころでは無くなったとも思いますが……。

[メイン]加賀見 清 : 加賀見はこの一連の出来事を、主に自らについて子細に観察・記録した論文を学会に発表しますね。

[メイン]KP : なるほど。流石は加賀美先生。

[メイン]加賀見 清 : タイトルは「異説・狂人日記」とします。@

[メイン]KP : なるほど。同じようなことをされた先生が、配信動画でも見えました……。

[メイン]KP : うちの、藤崎先生も、この出来事に関して日記書いてるようです。@

[メイン]加賀見 清 : やはり、同志がいらっしゃるようですね。@

[メイン]KP : はい。まあ、手記を書きたくなるシナリオですよね。@

[メイン]加賀見 清 : そうですね。もともと加賀見は自分の正気を疑い始めていましたから、医学界への貢献や終活も兼ねて、研究を残そうとすると思いました。@

[メイン]KP : 確かに、最初の前提がそうでしたし。シナリオの意図とあっていると思います。

[技能]system : [ 加賀見 清 ] SAN : 40 → 42